理科写真集  地学

長野県   堀田 幸雄

枕 状 溶 岩 (まくらじょうようがん)

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須坂市井上    令和2年8月撮影 

 枕状溶岩は、枕のような丸みのある塊が、重なり合って固まった溶岩です。このような現象は、溶岩が水中に流れ出る際に、急激に冷やされることによって起こります。
 この井上の枕状溶岩が出来た時代は、今からおよそ二千万年前の第三紀中新世で、当時この一帯は海の中にあり、かなり広い範囲で活発な海底火山が活動していたと考えられています。その後の地殻変動によって海から隆起し、現在の陸地になりました。
 このように、井上の枕状溶岩は、長野盆地の生い立ちを考える上で、大変貴重な自然現象です。
 なお、枕状溶岩は、県内では長野市大柳、丸子町大村川流域、真田町菅平口、安曇村白骨温泉、上伊那郡長谷村などに見られるだけです。
 須坂市教育委員会 看板より

 
 
  
  
   
長野市大柳   平成19年8月撮影 

 「枕状溶岩」とは、流動性に富む(水のように流れる)玄武岩質のマグマが、海底に噴出した場合に生じる特徴的な溶岩の形態です
 ちょうど「枕」を積み重ねたように見えるので、その名があります。
 大柳の枕状溶岩は、約二千万年前、当時この地が、海底であったときに、海底火山の活動によって誕生しました。
 20〜80pの「枕」の形態が、はっきりと観測できます。
 枕状溶岩の露頭としては、長野県内では最も地理的条件が良く、“善光寺平の生い立ち”を考察する上で、極めて重要な資料です。
   長野市教育委員会
大柳の枕状溶岩 看板より

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